客神社 弓祈祷
弓は原始の昔より神聖なものとされ、武神をさして(「弓矢八幡」と呼ぶように、昔の武士は年の初めに
まず武神を祭って、武運長久を祈る儀式を行いました。それが弓祈祷の始まりです。
江戸時代に入って、一般の人々の間では、魔よけ、家内安全、五穀豊穣を祈願して行われました。
所により、弓祭り、奉射、百手祭ともいいます。菊間町周辺では、大三島、関前村、朝倉村、北条立岩
などで行われており、そのほか東予市、川之江市でもみられます。
西山の客神社は、長坂川上流の盆地にある。
西山集落の氏神である。
弓祈祷、神社の社叢が有名である。
弓祈祷は、今は2月11日建国記念日に執り行われます。
客神社の社叢
客神社境内と、其の周辺の森、約3840uが社叢になっていて、モミ、トチノキ、アカガシ、アラカシ、スダジイ、ヒサカキ、ハマビワ、コバノミツハツツジ、さらに下層にはセンリョウ、ヤブコウジ、シダ類など数十種の植物が生い茂り、当地方の自然植生の状況をよく示していて、暖帯性常緑広葉樹林となっています。
珍しいと考えらるのは次の植物です。
アカネ科 ルリミニキ イチャクソウ科 シャクジョウバナ ギンリョウソウ
トチノキ科 トチノキ トウダイグサ科 ヒメユズリハ バラ科 リンホク
アワブキ科 ハマビワ マンサク科 イスノキ センリョウ科 センリョウ
この社叢はコイジの大木を中心に昼なお暗いよく茂った森で、県下でも貴重な社叢です。
県指定 天然記念物
社叢より木漏れ日のあたる客神社拝殿。
集落4地区が受け回りにて祭を催行します。
今年は吉田2組が当たり当番となっています。
射手 左より
石山 幸生 31歳
石山 和司 29歳
石山 裕一 24歳
3人の射手は裃姿に身を整えて祭典に臨みます。
先代の裃、弓は明らかに江戸時代のものであり、地区に保存されています。
祭典終了後、射場に移ります。
まず、荒薦の上に座りお神酒をいただいた上、的に向かって拝礼します。
新しい竹で作った矢2本が配られるとこれを半紙で清めます。
的は、直径1m.、80cm、50cmの3種が準備され
大の的に向かって2本の矢を射ます。これを3回繰り返し、今度は的を裏返し3回繰り返します。
3種の的にそれぞれ36本の矢を射ます。
総数108本の矢を射るわけです。
弓矢を持ち、的場に立つと弓手の片肌を脱ぎ、
約10m離れた的に向かって矢を放ちます。
新しく(中)の的に取り変えました。
的を取り替える間に、御神酒をいただき、最初のように拝礼をして、再び矢を射ます。
子供たちは、射った矢を集めて、魔よけの矢として各家庭にもちかえります。
今年は、よく的に命中していました。
的の鬼の字がみごとに打ち破られました。
いよいよ最後の射的です。
指先の感覚がもうほとんどありません。
例年の寒さもなく、無事終了いたしました。
祭典終了後の慰労会です。
地区で収穫した新鮮な野菜と、捕獲した猪を使った熱々の猪なべで、冷えた体を温めました。
婦人会の作られたこの鍋がそれはそれは美味で、一同楽しい時をすごしました。

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