大河内神社 おとう継
大河内神社は、旧歌仙の松尾地区の氏神さんです。大祭10日前の注連縄張から始まり、子供神輿のやど、など大祭当日まで祭りの世話を受けるのが(とうや)という制度です。。
大祭当日、例祭が執り行われた後、来年当たりのとうやさんに引き継ぐ儀式が”おとう継ぎ”です。とうや以外にとうやを補助する2軒が決まります。地区内で順番に当番が決まりますが、おとうを受けるのは何十年に一回ぐらいの間隔で巡ってきます。
おとう継ぎには、大きな杯に御神酒をなみなみとそそいで今年のおとう家から来年のおとう家にまわして飲み干します。しかも盃は5段重ね。周りのものからは、”それいけ、やれのめ”やいやいうるさいこと!!
最後の盃は悠に一升は入ります。きっと地区の先祖の皆さん方は酒好きの人が多かったんでしょうね?盃が新調されるたびに大きくなっていく気がします。?
小生など自宅までの送りの車の中、車が曲がるたびに意識が薄れ、朝のしらけ始める布団の中で気が付く事が何度あったか!!
今年は台風が四国に多く上陸しましたが、幸いにもその間のわずかの晴れ間に祭りが行われましたが、明日の台風23号の襲来予測で、各農家もわずかの晴れ間の稲の取入れなどで、参加者が例年の半分以下となったのが少々寂しかった気がしました。
これが、これから始まる(おとう継ぎ)の盃です。4〜5年前に新調されました。前の盃も漆塗りの立派なものでしたが、長年の使用と、鼻につくほどの熱燗とかで、ひびが入り使用不可能となりました。新調の盃は直径は多少小さくなったような気がしますが、なんせ盃一つ一つの掘りが深く、御神酒の容量は見た目より多いような気がします?
このあたり、総代の魂胆かな????
向かって左側に今年の(とうや)と補助役の二人が座り、右側に来年の(とうや)と補助の二人が座ります。
盃の前には神職(小生)と総代二人が座ります。総代挨拶の後、小生は最初の盃を今年のとうやに受け渡します。そして、総代が御神酒を注ぎ込みます。
「おいおい、最初は少しにしてや」
最初の盃は殆ど、とうやが飲み干していました。そして、盃を来年のとうやに渡します。これを飲み干し、これで最初の盃は終了。
続いて2段目の盃を、来年の祭りの世話役の”おとう”にまわします。来年のおとうの受け役を始め補助役の2人はかなりいける連中のようです。
”おいおい!わしらにも少しは残せよ”
補助役の連中が催促です。
”待っとけ、その内に何ぼでもまわしちゃる”

2回目の盃が今年のおとうに回ってきました。今年のおとうの補助役がホローします。
今年の御神酒は燗の具合が丁度よく、鼻にきてむせる事もなく、最高の燗状態でした。
"あたしゃあ・・なんぼにぼ””
ねえさん、ちょとぐらい飲まんかい”
周りがわいわいとひやかします。
”なにいよん!!おおごと、おおごとよ”
で少し戴いて、来年のとうやに盃を返しました。
来年のおとう頭に、再びなみなみと御神酒が注ぎ込まれます。
一同の視線が盃に注がれる中、補助役の二人は特に真剣な目で見つめています。何故なら、とうや頭が残した御神酒を二人で飲みきらなければなりません。
”もうええ〜、そんなに注ぐな”補助役が言えば
”もっとつげ!!もっとつげ〜〜のう”
周りはいい気なもんです。
来年のとうや頭が、グビグビと。
周りの一同、目は笑っていますが口がポカリ。
しかし、補助役の二人は真剣な目で!!!
とうや補助役二人目がが最後の仕上げで飲み干します
”ふ〜〜・・・・・”
とうや頭から受け継いで飲んだ、とうや補助役一人目のため息が聞こえそうです。

こうして、最後の5段重ねの盃になりました。総代が最後の盃に並々と注ぎいれます。
とうや皆さん一同、もう腹の中は”ファイヤ〜〜”状態です。口を盃に近づけると燗の匂いが脳天に刺さってきます。
最後の盃にトライ。越智さんお歳考えて!!!
しゃぁない、しゃ〜あない〜い!!”
すでに口元が怪しくなって来ています。
なんぼ、大酒飲みでもこうは急には飲みきれません。                                しかも最初の盃からすでにかなりの御神酒が腹に収まっています。                          今年の補助役が盃を受け取りました。            三番目の補助役は恐怖の目で盃をにらんでいます。
”あたしの所まで持ってこられんよ、お願いじゃけん飲んでしもて”
ほんのり顔があかくて、おいろけたっぷり!!
来年のとうやの番です。
再びなみなみとお神酒が注がれました。
おつむの天辺までほんのり桜色。
ここまで来るともう酒が甘いだの辛いだのなんて状態ではありません。ただグビグビ〜といくだけです。
補助役の一番目に盃が回ってきました。
来年のおとう役は最後の盃をすませ、ホッと笑顔が。
残った御神酒は補助役の番です。
”お〜おぎょうさんのこしたの〜どうならい”
補佐一番目がいきます。

補佐二番目が残りをいっきにいきます。
ぐびぐび
”それいけ、やれやれ、あけてしまえよ”
周りからのやじがうるさいこと!!
一気に飲み干し”どうぞ、やっとろが”
パチパチ〜※〜彡〜☆パチパチ(*^_^*)
拍手喝さいです

再びお神酒が注がれ今度は皆の衆で順に飲み干します。
再び御神酒を満たして総代が締めを取ります。
と・・・・・思いきや、やっぱり今年も最後に回って来ました。
一同の目線が!!!!
盃をすかして期待度アッププと強烈です。
期待に応えて、今年もやちゃいました。
どうもこれをしないと、おとう継ぎは終わらないようになって。
ヒック、ヒックあちらこちらから聞こえて来る中、 最後に総代の挨拶で今年のおとう継ぎは無事終了しました。
しかし、もっとすごいのは、まだまだこれからが宴会の本番となることです。


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